映画から始まる旅(H.I.S.遊学旅開発プロジェクト)

鮫島ゼミは、観光学を専門分野として、新規事業開発・商品開発を学ぶゼミです。この度、若者の海外旅行促進を目的に、世界を楽しく学ぶ「遊学旅」をH.I.S.と共同開発することになりました。

その一環で、タイを舞台にしたドキュメンタリー映画「クワイ河に虹をかけた男」の軌跡を訪ねるスタディツアーを実現すべく、約1年半かけてH.I.S.の担当者からアドバイスを受けながら学生が主体となって準備を進めています。


旅は世界を学ぶ学校

もともと、私は世界70ヶ国・47都道府県を訪れた旅人です。「旅は楽しく世界を学ぶ学校である。」と考えています。私自身、旅を通じて多くの事を学び、人生を変える経験をしてきました。旅の可能性について研究し、多くの若者に伝えたいと思い、現在の仕事を選びました。

現在の私がいるのは、小学生の頃のある衝撃的な経験が原点になっています。放課後、港で釣りをしていると見慣れない巨大なヨットが入港してきました。そのヨットに乗っていたのは、2年間かけて世界一周をしているオーストラリア人4人家族。小さな田舎の漁村は「黒船来航」の騒ぎになりました。中学の英語教師が通訳となって井戸端会議が始まり、「2年間も学校を休んで勉強はどうするのか」という私の素朴な疑問に対して両親が放った言葉が今でも忘れません。「旅は、世界を学ぶ立派な学校よ」。


映画から始まる遊学旅とは何か

観光学とは、観光(ツーリズム)とは何かを探究する学問です。旅が人間や社会にどのような影響があるかは、多くの研究者のおかげで徐々に明らかになりつつあります。遊学旅とは、観光研究の成果を活かして学習効果を高める「仕掛け」を組み込んだ、楽しく世界を学ぶことができるツアーです。具体的には、旅行前の計画段階から旅行中、そして旅行後までを一連の学習プログラムとして捉えて、5つのエッセンスを含む旅行を指します。

遊学旅の5つのエッセンス

① 旅行意欲を高め動機付けとなる「映画」上映イベント

② 映画監督や専門家が案内人となり、新たな視点を得る

③ 感動・探究心を高める旅の仕掛け

④ 共通の関心をもつ同好者同士の交流と新たな仲間づくり

⑤ 旅行後も感動と思い出をふりかえるイベント

2020年8月のツアー実施に向けて現在、企画を進めています。


映画上映の前旅

旅行は計画段階から始まっています。地球儀を眺めて次はどこに行こうかと想像するのが、私にとってワクワクする時間です。旅をもっと価値あるものにするために、映画上映イベントを行います。映画から旅が始まります。

今回取り上げる映画「クワイ河に虹をかけた男」は、「死の鉄道」として知られるタイ・カンチャナブリの泰緬(たいめん)鉄道を建設した旧日本軍の通訳であった永井隆さんの戦後の贖罪と和解の20年にわたる旅を描いたドキュメンタリー映画です。永瀬さんの巡礼の旅は、東京オリンピックで熱狂し、戦後初めて海外旅行が自由化された1964年から135回にも及びます。日本の平和教育といえば、広島・長崎や沖縄など被害者としての戦争遺構を訪れることが多いですが、加害者としての戦争も決して忘れてはいけません。この映画は、主人公である永瀬さんのまなざしを通して、教科書では書かれていないもうひとつの戦争のリアルを見事に描いています。これを観てからタイに行くと、映画で見た映像と重ね合わせることで、何気ない風景が価値あるものになっていくでしょう。

ツーリズムと平和の関係を考えるきっかけに

この映画は、単なる戦争映画ではありません。むしろ、経済成長と平和を謳歌する日本の戦後の陰に隠れたもうひとつの歴史を描くものです。元捕虜であったイギリス人や復員する日本人を助けたタイ人とその子孫たちと逃げずに向かい合う永瀬さんの苦悩と葛藤に心が動かされます。永瀬さんの旅の軌跡は、単に戦争の悲惨さを伝えるものではなく、内向きな世界、人と人が簡単にクリックひとつでつながる現代社会にあって、わざわざ足を運んで人と人が「同じ空気を吸う」ことの価値を考える機会になると思います。「友をつくる」とはどういうことか、「和解」とは何か、世界の分断を乗り越え、平和に寄与するツーリズムの可能性について考える機会となるでしょう。


学生が企画し、関係者と打ち合わせを重ねて上映会イベントの準備を進めています。ぜひ応援よろしくお願いします。

(満田監督・HIS社員・学生のミーティングの様子)



2/26(水)◆国際平和映画イベント◆「クワイ河に虹をかけた男」上映&スペシャルトーク「ツーリズムは世界の分断を克服できるか」

イベント概要:

日時 : 2020年2月26日(水)

・上映会:19:00-20:45

・トークセッション:20:45-21:30

会場 :賢者屋新宿店

募集人数:50名(人数に限りがあるので申込みはお早めに)

参加費:無料

申込:事前予約制

主催:駒沢女子大学鮫島ゼミ

協力:株式会社エイチ・アイ・エス スタディツアーデスク

お問合せ:H.I.S.スタディツアーデスク Tel 03-6836-2560 担当:大符(たいふ)

ご期待ください。

SAMETAKU-LAB 鮫島卓観光デザイン研究室

鮫島ゼミ(観光デザイン研究室)の研究・大学教育・ゼミ活動・社会貢献などの活動をお知らせするサイトです。

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