オンラインだからこそ世界や地方とつなぐ授業

今週から後期授業が始まりました。


私が担当している観光文化学類の入門科目「観光文化入門Ⅱ」では、HISの協力のもと観光産業の様々な分野で活躍するゲストによるオンライン授業を行っています。今年度のテーマは「旅の本質とポストコロナの観光産業の可能性」です。

緊急事態宣言以降、観光業界では予約の取り消しが相次ぎ、売り上げも激減しました。国内観光は徐々に復活の兆しも見られますが、とりわけ国際観光は完全復活までの道のりはまだまだ遠く、自らの存在意義を否定されたような思いでいる観光産業従事者が多いのが現実です。


確かにコロナ禍は観光に関わる人々に厳しい現実を突きつけていますが、旅をしたいという人々の欲求やツーリズムの有用性が失われたわけではありません。またコロナ禍は、「旅とは何か」「自らの事業とは何か」という本質的な問いを投げてかけてくれました。そんな中で多くの方々が、この誰にも正解がわからない道なき道を、試行錯誤しながら歩み始めています。


長く暗いトンネルの中で大学として何ができるかを考えたときに、この授業を通じて旅の可能性という希望の光を産学連携で共に探究してみようと思い立ち、社会に貢献するという思いで今回の授業をデザインしました。溢れるメディアの情報に翻弄されることなく、現場で奮闘する人びとの声や表情から学生たちに少しでもその光が伝わることを願っています。


この科目で問いかけているものは、下記の3つです。

• コロナ禍において観光産業の現状はどうなっているのか。

• ポストコロナで観光産業はどのように変化し、どんな可能性はあるのか。

• 旅の本質とは何か。


今年のゲストスピーカーは下記の豪華な講師陣です。海外や地方から映像を交えて紹介するなど、教場ではできないオンラインならではの授業となっています。


第1回コロナ禍の取り組みと今後の展望 HIS執行役員人事本部長 有田浩三
HISの働き方改革  HISダイバーシティ&インクルージョン推進室 鬼島絵里・野田恵


第2回世界の観光事情とこれから(世界3都市同時中継)
HISオンラインエクスペリエンス本部長 八幡正昭

HISホノルル支店 支店長 村上智洋
HISホーチミン支店 インバウンド総括支店長 南原真吾 

第3回ポストコロナの宿泊業  鶴巻温泉元湯陣屋 女将・代表取締役 宮崎知子 

第4回ポストコロナの復興と地域観光 九州産業交通ホールディングス代表取締役社長 矢田素史

第5回ポストコロナの観光メディア  文藝春秋 CREA WEB編集長 倉林里実

第6回ポストコロナのインバウンドビジネス 美ら地球 取締役 山田慈芳

第7回ポストコロナのテーマパーク ハウステンボス 代表取締役社長 坂口克彦

第8回ポストコロナのオンラインビジネス ベルトラ 副社長・COO 萬年良子

第9回ポストコロナの観光政策 ハワイ州政府観光局 局次長 ミツエ・ヴァーレイ 

第10回ポストコロナの航空産業① ANAホールディングス経営戦略室 事業推進部長 津田佳明

第11回ポストコロナの航空産業② British Airways日本地区営業本部長 井上さつき

第12回ポストコロナのブライダルビジネス CRAZY執行役員 吉田勇佑

第13回ポストコロナのリトリートビジネス 森へ 代表取締役社長 山田博

第14回ポストコロナの旅と学び TABIPPO 代表取締役社長 清水直哉 

第15回旅の本質と観光の社会的役割  担当教員とHISプロジェクトメンバー

●教員より海外旅行の現状を解説↑


第1回目では、まずHIS執行役員人事本部長有田浩三氏から、コロナ禍における観光業界の現状やHISの取り組みについてお話を頂きました。厳しい現実を突きつけてくるコロナ禍にもかかわらず、「社員から6000件にもなる新規事業提案があり、この会社はまだいけると思った」という言葉が印象的でした。


続いて、HISダイバーシティ&インクルージョン推進室(以下D&I)鬼島絵里室長から「HISの働き方改革」についてお話し頂きました。女性が社員の65%を占める一方、幹部クラスがまだ少ないという課題に対して、ダイバーシティの推進は働き方改革から取り組んでおり、社員の関係性の再考、リモートワーク、ワーケーションの挑戦など、コロナ禍によって進展したこともあるということでした。

またHIS D&Iの野田恵氏からはHIS本社の新オフィスやカフェスペースの様子を映像で伝えて頂き、オンラインならではの授業となりました。

最後に、ゲストに「あなたにとって旅とは何か」という問いに答えて頂きました。

「旅は心から楽しい。これに尽きます。それがこの仕事をしている原点です。」

「旅は、出会いです。新しい出会いだけでなく、新しい自分との出会いもあります。」

「旅とは、異文化交流を通じて自分の軸を見つけることです。」


授業を受けた学生からは下記の声がありました。

「観光という産業はなくならない。という言葉がとても印象に残っています。新型コロナウイルスの影響で観光業界はとても危機的状況だと思っていたのと同時に自分の就職先がなくなるのではと心配していたのですが、観光業界で働くたくさんの方々が必死に奮闘している姿に希望をもらいました。ありがとうございました。」


海外に行きたいと改めて思わせてくれる授業になりました。豪華なゲストと共に「旅とは何か」を語り合いながら、今後も観光産業の可能性を探究していきたいと思います。

SAMETAKU-LAB 鮫島卓観光デザイン研究室

鮫島ゼミ(観光デザイン研究室)の研究・大学教育・ゼミ活動・社会貢献などの活動をお知らせするサイトです。

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