さめしまゼミとは

駒沢女子大学 観光文化学類 さめしまゼミへようこそ!

このサイトではこれからゼミを選択しようとする2年生を対象に、ゼミ選択の参考になるように「鮫島卓ゼミ」の情報をお伝えします。


ページの目的

このページの目的は、受講生と教員のミスマッチを防ぐことです。内容をよく読んで、自分の希望に合っているか確かめた上で応募してください。


教員の自己紹介と研究テーマ

 僕は大手旅行会社で21年間勤務し、旅行企画、地域活性化、国際協力の実務に関わってきました。観光産業は人生に立ち会う素晴らしい仕事です。将来、観光産業の仕事を目指す学生には心から応援したいと思います。一方で、ゼミで学ぶことは観光を提供する人のためだけではなく、観光をする人のための学びも提供します

 ツーリズムは不要不急で、とるに足らないものではありません。ツーリズムは楽しい余暇活動の側面もありますが、単なる遊び・娯楽を超えた可能性に満ちたものです。ツーリズムは人や社会を変える力があると考えています。

 実は、もともと私は人見知りで、自分に自信が持てない大学生でした。田舎から出てきて都会暮らしの環境になかなか慣れずに、アパートで引きこもりがちで読書が日課の日々でした(笑)。そんな私を変えてくれたのが旅です。初めて3カ月かけて全米一周したことを皮切りに、これまで70ヶ国以上訪れてきました。これまでの人生をふりかえると旅をするたびに少しずつ変化しているに気づくようになりました。

 旅は「楽しみのためだけではない」と考えるようになったのは、小学校3年生の時に出会った世界一周中の4人家族の母親に「旅は学び」だと言われたことが原点です。旅、旅行、観光にはどうやら人を変える力があるようです。

 その影響もあって、僕の最近の研究テーマはツーリズムの教育効果です。それが解明されることで、仕事であれ、旅行者であれ、ツーリズムを自分にインストールして人生を豊かにする人びとが増えることを切に願っています。


【ゼミの全体テーマ】国際観光と地域文化変容
 ゼミ全体のテーマは「国際観光と地域文化変容」です。国際観光とは、海外旅行(アウトバウンド)、訪日外国人旅行(インバウンド)を指す言葉です。国際観光が地域文化にどのような変容をもたらすのか探究をしていきます。国境を超える人びとの移動と交流は、グローバルとローカルが交ざり合う交差点です。ここでいう地域文化とは、観光地域だけではなく観光者の居住する地域も指します。観光文化とは、人びとの移動と交流のよるツーリズムによって創造される文化現象のことです。国際観光が、観光者の地域文化、また観光地域の文化にどのような影響を及ぼすのかを探究することは、持続可能な観光という観点でも非常に重要と言えます。
 また観光による地域振興という文脈では、国際観光はとかくインバウンドだけが注目されがちです。しかし、実はアウトバウンドも重要です。なぜなら、先行研究から海外旅行の経験が多い人ほど、外国人の受け入れに対しても積極的であることがわかっているからです。インバウンドによる地域振興には、地域固有の自然や文化を活かしつつ、地域以外の「外の視点」「相対的な視点」をもつことは不可欠なのです。その意味ではツーウェイツーリズムという視点で地域振興を探求することは重要です。そのような背景にもとに、ゼミでの授業を計画しています。

【ゼミの内容】
授業で行うゼミでは行うのは下記の2点です。

1.グループ研究
①輪読
輪読とは、専門書を読み、レジュメ作成、発表、議論を進めていく学習法です。一人で読むよりも深い読解力を獲得できると同時に、その過程でコミュニケーション力(読む、聞く・考える・書く・発表する)の向上を図ることができます。

《輪読図書》
3年前期
【観光学研究】白幡洋三郎『旅行ノススメ』中公新書
【海外地域研究】岩崎育夫『物語 シンガポールの歴史』中公新書
                           ⇒《演習》他文化社会を学ぶシンガポール旅行企画演習

3年後期
【観光学研究】山下晋司編『観光文化学』新曜社
【観光学研究】山口誠・須永和博・鈴木涼太郎『観光のレッスン』新曜社
       ⇒《演習》川越の観光資源調査
       ⇒《学外実習》川越フィールドワーク

4年前期
【海外地域研究】島村菜津『スローシティ 世界の均質化と闘うイタリアの小さな町』光文社
【国内地域研究】内田宗治『外国人が見た日本』中公新書
                        ⇒《演習》 インバウンド観光地のルート開発
       ⇒《学外実習》インバウンド観光地ガイド実習

4年後期
【ホスピタリティ】田崎真也『接待の一流』光文社
【海外地域研究】矢口祐人『ハワイの歴史と文化』中公新書
                         ⇒ 《演習》ハワイ旅行企画


②実践型プロジェクト 

あるテーマをゼミ全体またはグループで研究活動を行います。学外実習や企業などへのプレゼンテーションがあります。4年生の後期には、ゼミ全体で取り組んだグループ研究成果を学年全体で合同発表会を行います。

<3年次>
前期:多文化社会を学ぶシンガポール旅行企画 
後期:川越の文化変容調査フィールドワーク(春休み)
<4年次>
前期:インバウンド観光地のルート開発とガイド実習(夏休み)
後期:海外旅行企画(合同発表会)

2.個人研究:ゼミ論(主に4年次)

研究方法を学びながら、自分が関心のある研究テーマを見つけてゼミ論(8000字以上)を4年終了時までに仕上げていくことを目標にします。テーマは教員の専門に関係なく学生自身の関心で探してください。


ゼミの運営

1つは、反転授業の授業運営であることです。授業を試合本番として考え、議論や発表の機会としています。授業は、講義形式で知識を伝達することはしない反転授業です。従って、知識を得る練習の時間は授業外で各自で行うことになります。授業外で知識を得るためのテキスト・動画・資料を用意しますので、予習が必要になることを覚悟してください。

2つ目は、推敲(すいこう)を大切にしていることです。レジュメ、レポート、プレゼン資料、ゼミ論、パンフレットなど皆さんは課題が与えられ、そして発表会やWEBサイトを通じて公開されます。常に「他人に読まれることを前提に書く」ことが求められます。そのため、一発合格は決してありません。推敲とは、よくしようと何度も考え、作り直して、苦心することです。この推敲作業を非常に重視します。推敲は教員がするのではなく、学生同士で推敲します。自分のつくったものを他人の目にさらすことは、はじめは嫌なことかもしれませんが、そのうちに慣れてきます。謙虚に学び続ける姿勢は大切なことです。失敗を成功の糧にする姿勢を身につけることができれば、きっとあなたは一生涯、学び続けられる人になるでしょう。

3つ目は、授業で全員が1回以上発言を求められることです。授業中に発言をしないことは出席したとみなしません。誰かがやってくれるとういう受動的な姿勢の学生は求めていません。環境をつくるのはそこに参加している人間です。ゼミが良くなるのも、悪くなるのも参加しているあなた自身の行動が影響を与えているという認識を持ってください。

4つ目は、夏休み・春休みも行事があります。教室だけではなく、フィールドワークやガイド実習、企業などへのプレゼンテーションなど実践的な活動があります。自己の表現力を高めたい人にはチャンス多くのがあります。


こんな学生を求めています 「多様性に身を置き、学び続けられる人」   

人間は見たいものしか見ないものです。思い込みや偏見なく世界を読み解くためには、自分と違う人に囲まれた環境に身を置いて、たくさんの人に出会い、たくさんの本を読み、たくさんの旅をすることが大切です。人、本、そして旅は世界を見る目を養い、豊かな人生を育みます。

中でも、本を読むことは、過去の先人と対話をして学ぶこと、追体験をすることです。「愚者は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ」。これはビスマルクの言葉です。1万年前の縄文人も現代人も脳みそと喜怒哀楽はそれほど進化していません。また世界中の人も文化は異なるけれども、同じホモ・サピエンスとして喜怒哀楽は同じで、共通点もたくさんあります。人間は生き物のひとつです。人間の食べ物はすべて生き物です。地球や生態系を無視してことを為すことはできません。ですから、川を上る(歴史から学ぶ)、海を渡る(世界から学ぶ)、森を歩く(多様な生き物から学ぶ)ことは、自分の固定観念を超え出て、新たな世界を見せてくれるでしょう。その意味で、本を読むこと、旅をすることは、人との出会いを通して学ぶことなのです。