さめしまゼミとは
駒沢女子大学 観光文化学類 さめしまゼミへようこそ!
このサイトでは、大学選びをする高校生や編入学生、またはこれからゼミを選択しようとする2年生を対象に、ゼミ選択の参考になるように「鮫島卓ゼミ」の情報をお伝えします。
ページの目的
このページの目的は、受講生と教員のミスマッチを防ぐことです。内容をよく読んで、自分の希望に合っているか確かめた上で応募してください。
【ゼミの計画】
1.個人研究:ゼミ論(研究論文)
研究の進め方や調査方法を学びながら、自分が関心のある研究テーマを見つけてゼミ論(8000字以上)を4年修了時までに仕上げていくことを目標にします。4年次の後期の最終授業で、研究発表会を行います。文量を1.5万字以上にして卒業研究(4単位)にすることも可能です。テーマは自由に設定できますが、外国を対象とした研究または日本との比較研究が望ましいです。そのために文献の探し方、テーマの決め方、調査方法を学びながら、論文を書き上げていきます。
2.グループ研究
①輪読・映画鑑賞・食を通じた「欧州と日本のまちづくりと文化の比較研究」
専門書の輪読(レジュメ作成、発表、議論)を通じて、欧州と日本のまちづくりの比較研究を行います。特に観光先進国の欧州(主にイタリアのスローフード、スローシティ、テリトーリオ、ガストロノミア)におけるまちづくりと文化を学び、日本と比較しながらその特徴を理解します。海外と比較することで日本の輪郭をより深く知ることができます。
輪読とは、一冊の本を複数人で読むものです。一人で読むよりも深い読解力を獲得できると同時に、その過程で社会人に必要なコミュニケーション力(読む、聞く・考える・書く・発表する)の向上を図ることができます。
また、本による知識の習得だけではなく、イタリアを舞台にした映画鑑賞、イタリアレストランでの食体験を通じてイタリア文化にふれる機会もあります。
山口誠・須永和博・鈴木涼太郎『観光のレッスン』新曜社
宗田好史『インバウンド再生~コロナ後への観光政策をイタリアと京都から考える~』学芸出版社
宗田好史『なぜイタリアの村は美しく元気なのか』学芸出版社
島津菜津『スローシティ:世界の均質化と闘うイタリアの小さな町 』光文社
木村純子・陣内信秀『イタリアのテリトーリオ戦略』白桃書房
②課題解決型の実践的な学び
3年次後期から4年次かけて、グループ研究として課題解決型授業(PBL)を行います。テーマ内容は毎年異なります。過去には、ニュージーランド政府観光局にブース展示の提案、HISとタイ政府観光庁へ観光コンテンツ提案、稲城市の文化財を紹介するガイドブック『謎解き稲城の歩き方』の刊行などを行いました。
2023年度はイタリア政府観光局やHISと連携して学園祭で、グループ研究の成果発表とイタリアの観光プロモーション展示を検討しています。4年生の後期には、取り組んだ成果を観光文化学類の合同発表会でプレゼンテーションします。
③学外活動
鮫島ゼミの活動は教室だけに留まりません。夏休み・春休みも行事があります。埼玉県川越市でのフィールドスタディ(HIS川越営業所訪問、伝統的建造物保存地区の見学)、イタリア料理店での授業、4年次夏休みのゼミ合宿(学生自主企画、2022年度は箱根)などがあります。学生自主企画のコンパなどの活動も活発です。
④就職活動対策
ゼミでは就活対策として3つのことを行っています。第1に授業内で学生が関心のある日本経済新聞の記事を紹介して議論をするMyNewsを3年次後期には毎回行います。時事問題や企業研究につなげます。第2に先輩から就職活動の体験談を聞く「内定者トーク」「OGトーク」を3年次に行います。第3に個別指導です。学生ひとりひとりに合った目標達成のために計画・実行・検証・改善を伴奏します。
学生へのメッセージ
良愛賢母ではなく、自立した女性として
ジェンダーギャップ指数が示す通り、日本では組織の意思決定層に立つ女性は少数派です。日本の観光産業は特にその傾向が強い。女性が「上(男)が決めたことに従う」生き方をしている限り、働き方、少子化、選択的夫婦別姓など女性が直面する問題を根本的に解決することはできません。一方で、長時間労働で時間に縛られた男性優位の働き方や、年功序列の硬直化したキャリアのあり方は、あらゆる分野で機能不全に陥っています。その意味でも、社会変革を担う女性の登場は、新しい日本の未来をつくる意味で非常に重要です。
私自身の実務経験は、旅行業、テーマパーク業、観光開発コンサルタントです。それらを目指す人には特に応援したいと思います。
旅をして、学び続けられる人
人間は見たいものしか見ないものです。また自分自身に対してもそれは当てはまります。思い込みや偏見なく世界を読み解き、自分の可能性を見つけるためには、自分と違う人に囲まれた環境に身を置いて、たくさんの人に出会い、たくさんの本を読み、たくさんの旅をすることが大切です。人、本、そして旅は世界を見る目を養い、豊かな人生を育みます。
中でも、本を読むことは、過去の先人と対話をして学ぶこと、追体験をすることです。「愚者は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ」。これはビスマルクの言葉です。
また創造力が益々求められる時代です。創造力を阻害する最大の要因は固定観念や先入観です。
バイアス(固定観念)を超える方法は、川を上る(歴史から学ぶ)、海を渡る(世界から学ぶ)、森を歩く(多様な生き物から学ぶ)ことだと思っています。具体的には、本を読むこと、旅をすることは、人との出会いを通して学ぶことです。
大切なことは頭が柔らかい若い時にバイアスを捨て、自分にリミットをはめず問題意識や目標を主体的に定め、世界観を広げる経験すること、そして卒業後も学び続ける力を学生時代に身につけることです。
僕自身も学び続け、変わり続ける人でありたいと思っています。僕自身が学生から学ぶこともたくさんあります。一生に一度の人生です。思いっきり人生を、そして世界を楽しみましょう。